馳名商標の保護

中国国家知的財産権局は11月19日に商標権侵害事件において馳名商標の保護に係る調査を強化する通知を発行しました。

通知の概要

本通知では、各知的財産管理部門は、日常業務を進める中で企業が馳名商標の認定と保護制度について正しく理解するように導くべきであり、法律の適用においては「馳名商標」の文字の合法使用と違法使用との境界を正確に区別する必要がある、としています。

また、「馳名商標」の文字の使用について、企業は経営活動において商標が馳名商標と評価され,保護されている記録として使用事実をもって主張することができます。しかし,故意に「馳名商標」の認定及び保護における法的性質を弱め、「馳名商標」の文字を単に名誉称号として企業の宣伝や商品又は役務の販売に特化して使用される場合は、商標法の規定に従って調査および処罰されるべきである、としています。

調査の法的権限、期限の厳守と管轄主体

本通知は、法的権限と期限を厳守して、「馳名商標」に関する事件を調査することを定めています。
主体に関しては、「馳名商標」保護に関する商標侵害事件は、「市」(地、州)レベル以上の「知的財産管理部門」(以下、「立案機関」と呼ぶ)の管轄下にあることを規定しています。
旧国家工商行政管理総局の承認を得て立案する権限を取得した、市区の経済社会等を設定する行政権限を持つを持つ「省」、「直轄県」(市、地区)の知的財産管理部門は、引き続き処理することが可能となっています。
省、直轄県(市、地区)は追加または調整があり、「馳名商標」を立案する権限を取得する計画がある場合、速やかに国家知的財産権局に報告し、批准を受けることが必要とされています。

立案機関は15営業日以内に立案を決定

本通知では、調査の期限については「市場監督管理における行政処罰手続に関する暫定規定」に従って、「馳名商標」の保護に関連する違法行為調査は、当事者からの書面による請求があった日から15日営業日以内に立案の可否を決定しなければなりません。(特別な場合に限り、担当者の許可によりさらに15営業日まで延長することができます。)
予備審査で要件を満たしている場合、立案日から30日以内に、馳名商標認定の申請、案件材料の謄本を省(自治区、直轄市)知的財産管理部門に提出する必要があります。
なお、審査で規定に満たしていない場合は、当事者にその旨と理由を迅速に伝えて処理すべきである、とされています。

審査部門は30日以内に確認・審査をする

審査部門である省(自治区、直轄市)知的財産管理部門は馳名商標の認定申請書を受領した日から30日以内に確認および審査することを規定しています。
審査で要件を満たしている場合は、国家知的財産権局に書面申請と申請材料および証拠材料の謄本を提出する必要があります。

その他の記載事項の要点

  • 馳名商標の認定申請と使用を効果的に規制することを強調しています。具体的には、審査の強化です。
  • 馳名商標の保護を強化することを重視。まずポイントとなるのは迅速な保護です。
  • 馳名商標にフォーカスして、商標の管理上の保護を強化する必要性も強調しています。

商標侵害事件における馳名商標保護の調査と取り扱いは当事者にとって極めて重要な問題であり、知的財産管理部門にも重要な責任をもっています。

中国の各地域は、行政効率を改善し、ビジネス環境を最適化するために高い政治的責任感を持ち、馳名商標の保護に着目して、権利保有者の正当な権利と利益を確実に保護することが期待されます。

(日本アイアール株式会社 B・Y)

日本アイアールの中国商標サービス

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