中国商標最新政策

 

中国では商標悪意登録を規制し、商標登録の秩序および公平に競争する市場秩序を守るために、「商標の悪意登録を系統的に規制し、品質の高い発展を促進するための工作方案(2023-2025年)」(以下方案という)という通知を発表しました。今回はその内容を簡単に紹介致します。

1、方案の目標

2025年までに、商標の悪意登録の規制に関する政策、法律をさらに健全させ、規制主体の権利や責任を明確にすることにより、良好な商標登録の生態を形成することです。

2、具体的な内容

  • 商標法、商標法実施条例等の法律制度の制定、修正を積極的に進め、法律を強化し、商標審査審理指針を動態的に修正することにより、もっと健全な審査政策標準を制定し、商標法等の法律の厳格的な執行に力を入れます。例えば、悪意に申請登録された商標は拒絶、無効宣告すべきであり、移転、質権の設定ができません。
  • 重大な不良影響を有する商標および明らかに詐欺性がある商標の登録申請、使用に対し、迅速に拒絶し、職権により登録商標の無効の宣告をすることができます。商標が悪意に先に登録される行為を厳格に規制し、悪意に商標を大量に登録申請する者の商標の移転、質権の設定に対しては規制を加重させる一方、商標権の権利濫用に対しては場合によって職権により、商標の無効を宣言することができます。
  • 商標悪意登録行為の規制能力を向上させるために、人材育成をし、規制方法の多様化、法律の統一適用および標準の一致した執行を促進します。
  • 商標の審査審理の質を上げ、商標審査審理の効率を向上させ、迅速に商標を審査審理する規制の適用範囲を拡大し、商標権の保護と商標登録の秩序の関係を調整します。権利人と社会公衆の間の利益のバランスをしっかり把握し、商標が悪意に先に登録される行為を厳格に規制、抑制する同時に、商標権の私権の属性を正確に把握し、規制範囲が恣意的に拡大されるのを防止しなければなりません。また商標の本来の使用意図、既に商業に使用している登録商標、並びに登録商標の使用時間が長く、既に市場が安定した登録商標に対する無効申告の決定は慎重にしなければなりません。
  • 宣伝、教育、共同研究を推進し、法律を普及し、悪意登録の典型案例を公開し、違法行為をした個人、企業および代理会社の信用情報を公開し、悪意に商標を登録した場合の効果を見せしめ、市場が自主的に商標権を保護する体制を形成するよう努めます。

3、まとめ

上記のように、中国は商標の悪意の先登録行為を規制するために出した政策です。職権による無効宣言のような強い制度がある一方、市場のバランスや安定を考慮する裁量も入っており、今まで最も大きな問題となっている商標の悪意の先登録行為を減少させ、無くすことを目指しています。

 

(日本アイアール株式会社 K・F)

 

【参照サイト】

https://www.cnipa.gov.cn/module/download/downfile.jsp?classid=0&showname=%E7%B3%BB%E7%BB%9F%E6%B2%BB%E7%90%86%E5%95%86%E6%A0%87%E6%81%B6%E6%84%8F%E6%B3%A8%E5%86%8C%E4%BF%83%E8%BF%9B%E9%AB%98%E8%B4%A8%E9%87%8F%E5%8F%91%E5%B1%95%E5%B7%A5%E4%BD%9C%E6%96%B9%E6%A1%88%EF%BC%882023%E2%80%942025%E5%B9%B4%EF%BC%89.pdf&filename=63e357c642a844d3a9a33bd012831ecb.pdf 

2023年5月23日最終アクセス

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