RISK

商標は商品や役務の出所を識別するための標識として、ブランド価値を映す重要な手段です。商標の使用は、自身の思いのままに設計・使用することはできず、『商標法』の関連規定を遵守する必要があります。

近年、いくつかの「仕掛けのある」商標が出現し、世論の注目を集めたことは、一部の経営者が法律を遵守して商標を使用するという意識が薄いことを反映しています。

実例を見てみましょう

実例を見てみましょう。2024年2月、上海知識産権局は、A社が製品包装に商標「糞豆」(中国語発音が「奮闘」と同じ)を使用している報道に気づきました。調査したところ、既に当該商標の登録申請が「社会主義の道徳、風習を害し、又はその他の悪影響を及ぼすもの」として、国家知識産権局に却下されたと分かりました。商標の使用に法律違反の疑いがあるため、上海知識産権局は、直ちに手がかりとなる情報を所在地の松江区知識産権局に移送しました。


松江区知識産権局が立案し、調査した結果、当事者が「糞豆」というブランドのチョコレートを生産し、コンビニで販売しています。2023年に当事者の関連会社が「糞豆」、「粪豆」(糞豆の簡体字)等、似たような商標の登録申請を4件出しましたが、いずれも「商標として使用すると悪影響を与えやすく、商標として使用してはならない」という理由で国家知識産権局に却下されました。当事者は食品製造会社として、登録申請が却下されても、懲りずに「糞」という妥当だといえない文字を商標として、食品の包装に使用し続け、公衆および報道で話題となり、社会に悪影響を及ぼしました。

商標法では?

中国『商標法』第十条において、商標として使用してはならない明確な規定があります。この案件において、A社がチョコレートの包装に商標として使用してはならない標識を使用した行為は、『商標法』第十条第一項第八号の「社会主義の道徳、風習を害し、又はその他の悪影響を及ぼすもの」に該当します。


また、中国『商標法』第五十二条によって、「登録されていない商標を登録商標と偽って使用したとき、又は登録されていない商標を使用してこの法律の第十条の規定に違反したときは、地方の工商行政管理部門はこれを差止め、期間を定めて是正するよう命じるものとし、かつ公表することができる。違法経営額が5万元以上のときは、違法経営額の20%以下の罰金を科すことができ違法経営額がない、又は違法経営額が5万元未満の場合、1万元以下の罰金を科すことができる。」と規定されています。

よって、松江区知識産権局がA社の違法行為を差し止め、公表及び罰金の行政処罰を科しました。

まとめ

本案件で当事者は「糞豆」のような食品に使用したら人に不快感を与える文字を使って、人気を得ようとしましたが、却って行政処罰を受けることになってしまいました。

商標使用者は、このようなことを考慮して、商標使用の規範化・合法化を重視する必要があります。

 

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