【HLE中国商標実務レポート】商標の構成要素が多い場合、どう出願すればいい?

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商標の構成要素が多い場合、どう出願すればいい?

現代企業の主力マークといえば、図形・文字・アルファベットなど、多くの要素によって構成される場合が多いでしょう。
では、この様な複雑なマークについて、商標権を獲得したい場合、組み合わせて1件の商標として出願する、と要素別に分けて数件の商標として出願する、どちらがいいでしょうか。

 

以下、各構成要素を1件の商標に組み合わせたものを「組み合わせ商標」といい、各構成要素を要素別に数件の商標として分けたものを「単独商標」といいます。

 

まず、コストの面から見てみましょう

組み合わせ商標で出願する場合、1件商標の出願費用で済みます。
単独商標で出願する場合は、分けた要素の数に該当する商標件数の出願費用がかかるため、コストが高くなります。

 

次に、拒絶を受けた場合、どうでしょうか

中国の類似商標審査基準によっては、いくつかの要素によって構成された組み合わせ商標について、文字、図形、アルファベット、数字のいずれかの部分が先行商標と類似する場合、全体としても、先行商標と類似商標に該当すると判定されます。
したがって、組み合わせ商標で出願する場合、ある部分が先行商標と類似したら、商標全体が拒絶されてしまいます。
それに対して、単独商標で出願する場合、1件が拒絶されても、他の単独商標の出願に影響はありません。

 

そして、実際の使用において、どちらが柔軟に対応できるか

組み合わせ商標が順調に登録されたら、その登録の態様のまま使用しなくてはなりません。
その組み合わせ方を変えて使用したり、各構成要素を単独に使用したりする場合、登録商標としての使用にはならず、「®」マークを付けることもできません。
一方、各単独商標が順調に登録されたら、それらを必要に応じて柔軟に使用することができます。
各商標を単独で使用することができれば、任意に組み合わせて使用することもできます。
ただ、「®」をつける場合、やはり各単独商標の傍に別々につけるべきで、組み合わせたマークが商標として登録されていない場合、勝手に「®」をつけてはなりません。

 

また、仕様態様に変更がある場合、どちらが柔軟に対応できるか

企業の発展に連れて、組み合わせマークの一部を変える必要があることもあるでしょう。
組み合わせ商標で登録された場合、その一部を変えることは、商標全体を変えることに等しいですから、すでに登録された組み合わせ商標がほとんど使えなくなります。
登録を維持したければ、更新費用を支払わなければなりません。
廃棄すれば、旧商標が長年を亘って蓄積してきた貴重な歴史が無くなるうえに、新商標を出願しなければなりませんし。もちろん新商標は拒絶されるリスクがあり、順調に登録できるかどうかはまだ未知なものです。
単独商標で登録された場合、変えられたものだけについて新規商標を出願すれば良いので、他の登録商標に影響がありません。
そして、新規商標が登録されたら、別の単独商標と組み合わせて使用することができます。

 

最後に、権利侵害の認定について

組み合わせ商標で登録された場合は、権利侵害者がその組み合わせ商標の一部を自分の商標として使用すると、裁判所が権利侵害者の使用商標と真の権利者の組み合わせ商標とが類似商標であると判定しない可能性があります。
一方、単独商標で登録された場合は、権利侵害者が組み合わせたものを自分の商標として使用すると、権利侵害者の使用商標と真の権利者の組み合わせ商標とが類似商標に該当すると判定する可能性が高いです。

 

上記を踏まえ、多くの要素で構成されたマークについては、(コスト面の考慮を除けば)やはり要素別に分けて出願することをお勧めします。

 

(2019/3/20 北京恵利爾商標代理有限責任公司)


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