中国商標の更新手続きにおける注意事項

はじめに

各種知的財産権の中で、商標だけには「何度でも更新できる(半永久的に維持できる)」という特徴があります。特許権、著作権、回路配置利用権、育成者権(植物新品種)などの知的財産権では、それぞれ法律や規則によって権利の有効期間が明確に定められています。一方、商標権だけは、権利者が有効期限内に更新手続きを行いさえすれば、期限を何回でも延長し、永続的に権利を保護することが可能です。

商標の更新は、その商標を使用し続ける期間において、権利の安定性を左右する重要な手続きです。手続き自体は比較的シンプルですが、実務において適切な対応を怠ると、ブランド戦略やビジネス展開に悪影響を及ぼすリスクがあります。そのため、商標権者が更新手続きを行う際には、以下の3点に注意する必要があります。

一、商標の更新手続きは法定期限内に提出しなければなりません。

『商標法』第40条第1項の規定によって、「商標登録者は、期間満了前の12ヶ月以内に規定に従って更新手続を行わなければならない。この期間に行うことができないときは、6ヶ月の延長期間を与えることができる。」

特に注意すべき点として、中国商標の有効期間は「登録日(すなわち異議申立期間の満了日)」から起算して10年であり、出願日(申請日)から計算するわけではありません。そのため、商標権者が管理を行う際には、各日付を正確に記録しておく必要があります。また、『商標法実施条例』の規定により、有効期限や更新猶予期間の満了日が祝日・休日に当たる場合は、その翌営業日まで期限が延長されます。しかし、直前の手続きで不測のトラブルが発生し、商標が失効してしまうリスクを避けるためにも、余裕を持って早めに更新手続きを行うことをおすすめします。

二、更新手続きを行う者の名義又は住所は、登録されている商標権者の名義・住所と完全に一致していなければなりません。

商標権者の名義や住所に変更があった場合は、あらかじめ名義・住所の変更手続きを済ませた上で、変更後の情報で更新申請を行うのが原則です。ただし実務上は、変更手続きと更新申請を同時に行い、申請時にその旨(変更の経緯)を説明することも可能です。

また、商標の譲渡手続き中である場合は、譲受人の名義で更新申請を提出することができます。この場合、申請時に譲渡手続中である旨を説明し、譲渡の承認を待ってから更新審査へと進めることになります。

なお、更新の申請人が登録上の商標権者ではない場合でも、質権者、債権者、共有者などの「利害関係者」であり、商標権者が更新を怠ることで不利益を被る恐れがあるときは、例外として利害関係者が代行して行う更新申請が認められる場合があります。

三、更新手続きを申請する前に、対象の商標が現在も有効に存続しているかどうか(失効していないか)を確認する必要があります。

更新申請の対象となる商標は、当然ながら登録商標であり、かつ現在も有効に存続しているものでなければなりません。しかし、商標権者にとって「自社の商標が今も有効かどうか」の確認は、日常の管理において意外と見落とされがちなポイントです。
実務上、商標権者が気づかないうちに、第三者から不使用取消審判を請求され、すでに権利が取り消されていたというトラブルは少なくありません。そのため、更新時には単に期限を見るだけでなく、現在の権利ステータスにも細心の注意を払う必要があります。

 

(北京恵利爾知識産権信息諮詢有限責任公司)

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