Q&A

前回のQ&A(一)では、中国商標の不使用取消審判の応答に関する注意点について紹介しましたが、今回は実務について、いくつか例を挙げてご説明したいと思います。

Q:登録商標の指定商品・役務がAとaです。Aとaが類似商品・役務で、Aに関する使用証拠だけを提出しましたが、aも維持できますか?

A維持できます。

『商標審査審理指南』の規定によって、指定商品・役務において登録商標を使用している場合、当該指定商品・役務と類似する指定商品・役務における登録も維持することができます。

Q:登録商標の指定商品・役務がAです。Aで登録商標を使用しておらず、Aと類似する商品・役務aで使用していましたが、aに関する使用証拠を提出すれば、認められますか?

A認められません。

『商標審査審理指南』の規定によって、商標権利者は指定商品・役務において登録商標を使用しなければならなりません。指定商品・役務以外の類似商品・役務においてその登録商標を使用している場合、登録商標の使用とはみなされません。

Q:登録商標の指定商品・役務がAとBです。登録時にAとBは類似商品・役務でしたが、区分表のバージョン更新によって、不使用取消審判の審理時にAとBは非類似となりました。Aで登録商標を使用して使用証拠を提出しましたが、Bも維持できますか?

A維持できます。

『商標審査審理指南』の規定によって、登録時に実際に使用している指定商品・役務Aと使用していない指定商品・役務Bが類似商品・役務でしたが、区分表のバージョン更新によって、不使用取消審判の審理時には類似商品・役務でない場合、登録時における事実の状態に準じて、実際に使用していない指定商品・役務の登録について維持することができます。

 また、登録時にAとBは類似ではありませんでしたが、区分表のバージョン更新によって、不使用取消審判の審理時には類似商品・役務となった場合、審理時における事実の状態に準じて、実際に使用していない商品の登録について維持することができます。

Q:OEM製造だけで、その商品が中国国内での流通が全くありませんが、認められますか?

A認められます。

『商標審査審理指南』の規定によって、実際に使用している商品が中国国内で流通せずにそのまま輸出されるものでも、指定商品に対する使用とみなすことができます。

Q:不使用取消審判がかけられた登録商標と実際に使用している商標が完全に一致している訳ではありませんが、実際に使用している商標に関する使用証拠を提出すれば、認められますか?

A認められないリスクがあります。

実務上、不使用取消審判がかけられた登録商標と使用している商標に些細な相違があっても、商標の要部(識別力を有する部分)が同じであれば、登録商標に対する使用とみなすのが一般的です。ただ、実際に使用している商標も登録されている場合、実際に使用している商標に関する使用証拠は、不使用取消審判がかけられた登録商標に対する使用ではないと思われます。以上のことから、識別力を有する部分が同じという類似商標を複数登録している場合、不使用取消審判がかけられた登録商標に対応する使用証拠の提出が必要となります。

 

 

(北京恵利爾知識産権信息諮詢有限責任公司)

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