品質誤認

中国商標法の第10条の中に「欺瞞性を帯び、公衆に商品の品質等の特徴又は産地について誤認を生じさせやすいものは商標として使用、登録してはならない」という規定があります。

北京知的財産権裁判所は2021年3月31日、欺瞞性のある商標および出願人に出願で避けるべき問題を消費者に認識させ、より効率的に商標の出願や使用を実施できるよう、この「欺瞞性」規定を適用した商標不服審判案件の審理状況に関する説明会を開催しました。

裁判所によると、欺瞞性のある商標とは、その商標名称が商品の実際の特徴やサービス提供者の経営特徴と異なっており、明示的若しくは暗示的に商品の品質、産地等と合わない文字が商標の中に入っており、これにより、出願人自身に欺瞞の意図があるか否かを問わずその客観的な結果から消費者の知る権利を侵害し、出願人自身の長期的な発展にも不利なだけでなく、商標の資源や商標に対する行政審査及び司法審判等の公的資源も浪費し、公平で秩序あるビジネス環境の構築並びに市場経済の質向上の発展にも悪影響を及ぼすものである、というものでした。

また裁判所は、欺瞞性のある商標を商品の特徴、および商品の産地に対する誤認という2種類の典型的な判例を紹介しています。

1.商品の特徴について誤認が生じやすいもの

 前述の商標法第10条の規定では、いわゆる商品の特徴について、「品質」のみに言及していますが、実務上では、商品の特徴の定義は広く、主に成分原料、機能用途、技術仕様等が含まれます。

①「成分原料」について誤認が生じやすいもの

 例えば、第3類のシャンプー、ヘアカラー、化粧品等で出願した商標「全天然」について、裁判所は「全天然」は「すべてのものが自然的に形成された」という意味があり、シャンプーや化粧品等の商品で使用した場合、関連公衆にその商品の原料成分がすべてナチュラル原料で製作され、いかなる化学的成分をも含有していないという誤認を招きやすいため、欺瞞性を帯びると認定し、原告の請求を却下しました。当該判例と類似したものは、「有机荟」(「有机」は「オーガニック」の意味)等があります。
 また、第29類の米、小麦粉、醤油等の商品で出願した商標「硒先生」の不服審判案件の中で裁判所は、「硒」(「セレン」の意味)は人体に有益な微量元素の一種であるものの、これを商標の識別性文字として小麦粉、醤油等の商品に使用すると、関連公衆にその商品の中に微量元素「セレン」が含まれるという誤認を招きやすく欺瞞性を帯びると認定し、原告の請求を却下しました。当該判例と類似したものは、「元生肽」(「肽」は「ペプタイド」の意味)等があります。

②「機能用途」について誤認が生じやすいもの

例えば、第32類のノンアルコール飲料、植物飲料等の商品で出願した商標「为胃好」(「胃の養生に有効」の意味)の不服審判案件の中で裁判所は、当該商標を植物飲料等の商品に使用した場合、関連公衆にその商品が胃の養生に有効のものという誤認を招きやすく欺瞞性を帯びると認定し、原告の請求を却下しました。当該判例と類似したものに、「享瘦曲线」(「痩せた体型を持つ」の意味)等があります。

③「技術仕様」について誤認が生じやすいもの

例えば、第32類のノンアルコールジュース飲料、ビール(ノンアルコール)等の商品で出願した商標「椰树鲜榨」の不服審判案件の中で裁判所は、「鲜榨」は「新鮮なものを搾る;搾りたて」という意味があるため、ノンアルコール飲料等の商品に使用した場合、関連公衆にその商品がすべて「新鮮なものを搾る;搾りたて」のものという誤認を招きやすいとして、原告の請求を却下しました。当該判例と類似したものに、「植荟醇露」(「植物から抽出した」意味がある)や「老手艺」(「古い工芸」の意味がある)等があります。

2.商品の産地について誤認が生じやすいもの

①商標の中に地名を含み、又は地名と関連があり、公衆に商品の産地について誤認を生じさせやすいもの

例えば、第33類のワイン、白酒等の商品において出願した商標「粤港澳」の不服審判案件の中で裁判所は、「粤港澳」は中国の広東省、香港、マカオからなるエリアを指しており、所在地が吉林省である出願人が、これを商標として出願し、ワイン等の商品に使用した場合、関連公衆にその商品の産地について誤認を生じさせやすく、欺瞞性を帯びると認定し、原告の請求を却下しました。この判例と類似したものは、上海市が所在地の出願人が出願した「BioTechUSA」等です。

②商標の中に企業名称又は業種名称を含み、出願人の名称と実質的な相違があるもの

例えば、ある投資コンサルティング会社が第36類の金融コンサルティング、ファンド投資等の役務で出願した商標「礼安基金」(「基金」はファンドの意味)の不服審判案件の中で裁判所は、出願人がファンド管理人の資格を有していない上、当該商標が出願人の企業名称とは実質的な相違があり、且つ会社名称を略称とする通常の方法と異なり、消費者に誤認させやすいため、欺瞞性を帯びると認定し、原告の請求を却下しました。

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